2008/12/18

ネットブックとクラウド…イノベーションのジレンマ2題。


Alina's netbook Originally uploaded by nitot

今年ネット、IT業界でブレイクした「イノベーションのジレンマ」と言えば、まずソフトウエア的にはGoogleに代表されるクラウド・コンピューティング、そしてハードとしてはEeePCなどのNetBookだろう。

“クラウド”もしくは“クラウド・コンピューティング”は、パッケージ販売やシステムインテグレーション(企業用)などで提供されてきたソフトウエア/ITビジネス形態を崩壊させる破壊力が不安視されていたけど、去年〜今年でハッキリと顕在化した…誰に話しても納得される状況になったな…と思う。

これからは個人でも企業でも、よほど専門的な(ニッチな)ソフト以外でパッケージは必要無い。多数派はSaaSやら広告費ベースの無償サービスを使うようになる…。今すぐにではなくても、時間の問題なだけということなのだろう。日本IBMなどはもうそれ前提にリストラを進めている…という話も。このあたりはIT関係者からすれば、常識じゃん?とか言われそうだけど、ビジネス書でもシリアスに取り上げられはじめたあたりが新しいかな…と。

NetBook”の方は、これはもうこれから「ローエンド破壊」の事例にされてしまいそうなくらい、典型的。書籍「イノベーションのジレンマ」で説明されているように、ローエンド破壊は、破壊的イノベーションが市場ローエンドに参入した場合、既存大手は(ある意味、これ幸いと)利益率の低いローエンドを捨て上位市場に移行…そんなことしているうちにいつの間にか市場が浸食され、ハッと気がつけば顧客は新規参入組の(安価な)方でOKということになってしまっていた…というようなこと。

ITMedia記事からも、小型ノート満足度Best 5ではAcerがトップで他にASUS、工人舎の製品なども。Vaioのような高付加価値型の小型ノートの影は薄い感じ。そしてノートはNetBookでいいとなってしまった理由の1つにクラウドもかなり関係している…要はブラウザとメールだけ動けば、大抵の用途に耐えられる世の中になった…と。

もちろん現在ではゲームや画像、動画といったものが絡むとNetBookは“お呼びでない”状態になるのだけど、GPGPUなどによって近い将来はまったく無問題になる可能性も高い。現にNVIDIAはAtom用GeForceを用意し、CUDAなどで演算能力を向上させる…ということを実際にデモし初めている(OpenCLも今後関係してくる?)。そうなると、市場から“お呼びでない”状態になるのは高機能ノートの方に…日本製ノート機などは今後キビシイ戦いになるの明らかかも。

景気がもし良かったなら、上記のような破壊的イノベーションへの移行はもっとスローペースだったかもしれない。でも、どう見ても「大不況」な現在、ローエンドへの移行は急速に進む可能性が低く無いと思う。あと2〜3年もすれば、業界は様変わりしていてもおかしくない…業界メジャープレーヤー中の人は薄氷を踏む気分かもしれないな。