2009/02/28

利用しているクラウド ストレージ・サービス


Hard disk dissection by Roberto F.

いくつかクラウド…ネットによるストレージサービスについては自分で試すなどして来た結果、継続して使っていこうと感じられるもの2つ…DropBoxとMozyについて簡単に紹介してみる。ちなみに僕は両者とも有料サービスを選択している。

■Dropbox→ファイル同期、持ち運びツールとして

この手のサービスとしてはもはや定番な感があるDropbox。いままで僕も含め多くの人たちに「最高!」と言われてきたけれど、最近はZumoDriveなどの競争相手も登場しており、ニーズによって選択肢は異なるだろう。結局Dropboxに決めたのは、いままで1年使ってきてほぼトラブルを経験していない安定性から。

最近試したZumoDriveはファイルを開くときの速度のもたつき等で気になる点があり、使い勝手の面で若干疑問符が付いた。DropboxではローカルのHDに同期用領域を容量分持たなくてはいけないという仕様面での短所はあるのだけど、それは意味のある事なんだろうなと感じる。仮にドライブにSSDを搭載し十分な容量が確保できないハード環境では別の答えになるのかもしれない。

Dropboxは無料で2GB、有料(月額$9.99 年間$99)で50GBの容量を利用できる。50GBあると、同期に必要かな?とイチイチ考えないで、とりあえずDropboxに入れておく…という使い勝手が実現できるのが良いと思っている。

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■Mozy→オンラインバックアップ ツールとして

ちょっと前にも紹介した、オンラインで自動バックアップを行ってくれるサービスMozy。MacのTimeMachineのような感じで自動バックアップしてくれる方法は無いか?と考えていたけど、これが一番希望に近いと僕は感じた。

もちろんユーザーインターフェースはTimeMachineのようにあんなに派手ではないモノだけど、バックアップを行う対象をきめ細かく設定することもできるなど、中々悪くない仕様だと思っている。

もちろんバックアップを“オンライン”で行うので、初回のバックアップにはかなりの忍耐が必要となり、ドライブ全部をバックアップさせようとすると、とんでもない時間がかかる。TimeCapsureでWifi経由でバックアップをする場合も最初はインデックスにかなりの時間がかかると聞いているけど、ネット経由だと、さらにそれが酷い事になる(笑)。最初に3GBほどの条件でバックアップした際には22時間だった…。ドライブ全体だと、果たしてどの程度なのか??

バックアップ処理はバックグラウンドで行われているのでそれほど気にはならないのだけど、やはりMacを何日も動作している状態で起動させたままにしておくのも心配なため、結局数日に分けてバックアップ領域を増やしていき、最終的にMacBookのすべてのファイルがMozyに入っている状態となった。それ以降は差分のみを自動バックアップするので、時間も負荷も気にならない状態。

Mozyは無料で2GBまで、有料(月額$4.95)で容量無制限になる。バックアップを心理的にケチってはまずいので、有料サービスの方にした…TimeMachine用などでUSBドライブを購入すれば15,000円くらいなので、こちらを使っても良いと感じた次第。

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以上のような感じで、2つのオンライン・ストレージサービスを2つの用途でうまく使い分けるというアプローチを取っている。

ちなみに、試してみた結果採用しなかったものとしてはMobileMeのiDiskのほか、ZumoDrive、Amazon S3を利用するJungleDiskなどがあった。これらが悪い…というより、僕のニーズに合ったのは上記2サービスという事になる。また、TidBITS - Alternatives to iDiskも参考になった。

ライフハック→ポジティブに生きるネタ


Explosion of positive energy by Łukasz Strachanowski

個人的な雇用の状況は残念ながら、あまり思わしくない感じ。あと半月ほどすれば、無職突入という笑えない状況。今まで大車輪で働いてきて、いきなり関わったプロジェクトの結末も見ずに脱落…という結果になりそうなのは正直不本意ではある。

そんな状態なんだから、からライフハックというかGTD的な“仕事の効率化”に関心を持つより、他にもっとやる事があるだろう…次の仕事の当てを探すとか…とは思う。だけど求職とは別に、そうしたライフハック的アイデアを収集する事自身が楽しいし、日々のチューンナップされているという感じがする。

今回、勤務先はアレな感じになりそうだけど、僕自身は全然OKな感覚を持つ。なんか、実生活でライフハック的な事を考えたり、取り入れたりしてからは激しく“ポジティブ・シンキング”だ。場合によっては求職ハックネタなどいろいろ試して、効力をレポートでもしようか…そんな事を考えながら検索でそれっぽい内容を漁った中で見つけた内容が以下。

結局LifeHackを求める人が欲しているのは「モチベーション」なのだろう。

日々の忙しいクソったれな状況の中でもポジティブに生きるための糧として、LifeHackを探そうとしている。私自身の考えだが、「ハイパフォーマー」と呼ばれる人たちにはこうした何気ないTipsを見つける能力が備わっているのではないかと考えている。

最近LifeHackという言葉が一般的になってきて、これはどうかなーと思えるものも正直存在するように思う。それでも、日常に楽しさを見出す能力を高めていくことはすごく大事なことだと、私は思う。

ライフハックによってビジネスマンは幸せになれるか?

多分、そういうことなのだろう。単に仕事や生活の効率化が目的…というよりは、それ自身が時には“下らない”事も少なくない日常を、楽しいモノにしてくれる一種の趣味と考えた方がいいかもしれない。

ユーティリティーを集めたり、周辺機器を手に入れてて自分のMac環境をチューンしていく…そんな感覚をライフハックによって「実生活でも」行っていくのは、単純に楽しい。効率化というのはある意味方便かもしれなくて、つまらなかったり、ツラいと感じてしまう日常が、あたかもいくつかのTIPSによって「Mac環境をいろいろチューンしている感じ」で楽しめる事、それが少なくとも僕に取って本質的なライフハックの一番のプラス要因なんだろう。

2009/02/26

Dead End?

2〜3日、ブログの更新が空いてしまった。実は、勤務先がある会社に吸収合併する運びに…そして合併前に大リストラ大会という、かなり“いまどき”な出来事が突然訪れたことによるもの。ちょっと前まで、不景気による雇用カットは半分他人事…というか、そこまで酷くはならないだろうとタカをくくっていた自分自身を反省する次第。

今後は現状より悪い条件で合併先に勤務できれば良い方で、半分以上の確率で“整理解雇”される…という身の上となった。現状は“就職活動”をするには中々多難な環境だが、まぁこうなったら“なるようにしかならない”ということだろう。

アップル創業の例を見ても、業界を変えるようなことは不況のさなかに起きている。景気が良ければ、敢えてリスクを取って何か違うことをするよりも、素直に景気の波に乗っていればそこそこイケる。ところが、不況時はこれまでとは違ったベクトルで進まないといけない…という圧力がかかるし、業界の序列から下手をすれば構造まで変わる。そういう時になんらかの逆にチャンスがあるかもしれないとは思っている。

今回の出来事で仮に生き残ったとしても、やはり単に“企業に勤めている”というだけでは、また何かしらの「受動的な」荒波に遭遇することはあるだろう。これからはやはり会社員の身分であろうと、何らかの独立をする場合であろうと、自分で能動的に動くという方向を模索することを、もっと考えていかなくては行けない。

2009/02/24

Mozyでオンラインバックアップ

TimeMachine用に用意していた外部ドライブにトラブルが発生することになった。結局電源アダプタの問題で、ドライブ自身には特に異常は無かったのだけど、今後のバックアップに関してはいろいろ心配にはなった。また地理的に全く別の場所にも保管する方が良いだろうと考えた。

そんなことから、結局以前にちょっとだけ試したままになっていたオンラインバックアップMozyを再度活用してバックアップする事に急遽した次第。尚、結構作業などがあったため、今回のエントリは基本途中で撮ったキャプチャをいくつか紹介するだけ。


Mozyでバックアップする範囲を設定。
ドキュメントフォルダなどのフォルダやファイル指定に加えて、
Mail内容保存、WordなどOfficeドキュメント保存といった形での指定も可能。


設定し終えたら今回はマニュアルでバックアップを実施。
もちろん、Mozyアプリケーションでバックアップ間隔などを指定できる。


バックアップ履歴を表示するウィンドウ。
これで今回のバックアップはひとまずOK。


保存したファイルを復帰させるレストア・ウィンドウ。
ファイルダイアログのような形で、バックアップの中の一部のファイルだけ
復帰させることも可能。

こんな形でとりあえず最重要ファイルのみのバックアップを終了。実際にはDropboxに保存していない重要ファイルはそれほど多くなく、わずか150MB以下…バックアップ時間は30分。これでは2GBのフリースペースにバックアップを行うと一体何時間かかることかと若干気が遠くなる。

少なくとも複数の異なった場所にデータ退避させるのは間違いではないし、継続してMozyを使ってみようと思う。また、一度バックアップしてしまえば、今後は差分だけになるので、それほど時間もかからないだろう…という期待も持ちながら、少し使い続けてみようと思う。ちなみにMozyは2GBまでのオンライン・バックアップは無料。月額$4.95で容量無制限のバックアップが可能なプランが用意されている。

2009/02/22

まとめ:Remember The Milkを便利に使う (1)

普段からタスク管理にはWebサービスのRemember The Milk(RTM)を利用…またこれをつかって「なんちゃって」ではあるけど、日々のGTDを行っている。段々環境が安定してきたので、ここで現在の使い方についてまとめてみる。

上が現在僕が使っているRTM環境。同サービスを便利に使うために、Firefoxアドオンなども使って使い勝手を改善している。まず今回はこの点について以下まとめてみる。


普通のRTMのようで若干違う?カスタマイズ後の画面

A Bit Better RTM

GreasmonleyスクリプトのA Bit Better RTMはもう欠かせないものになった。少なくともWebでRTMを使う場合はほぼ必須になった。このスクリプトは大きく分けて(1)リストを画面左に表示する、(2)タスクのリスト移動がキーボードだけでできる、の2つの機能がある。

通常RTMではリストはタブで表示されるが、多くのリストがあるとタブが何列にもなり、かなり見苦しい。GTDでタスクをプロジェクトや、「@オフィス」などでいろいろ分類する場合、すぐに30件以上…場合によっては50件のリストがすぐできてしまうので、タブ表示はかなりツラい。このスクリプトを使えばスッキリしてリストが見やすくなり、ようやくGTDに使おうという気になる。またキーボードで行うタスク項目のリスト移動機能は、週次レビューなどでINBOX内のタスクをプロジェクトや各種シチュエーション(例:@PCなど)に振り分ける際に便利。

Remember The Milk - display keyboard shortcuts

RTMは多くの機能にキーボードショートカットがアサインされているが、一方でやはりド忘れも発生する。このStylish用ユーザースタイルをインストールしておくと、画面上にショートカットが表示されるので、サクっと思い出すことができる。

Remember The Milk - Long Search

RTMの検索フィールドは右脇にあり、目立たない。長く表示することで、使い勝手を改善するStylish用ユーザースタイルが提供されている。ただし、RTMのエラー表示が長い場合には表示に若干問題が出る事もある(僕はそれほど気にならないけど)。

remember the milk - readable list

RTMのタスク項目の文字色をグレーから黒に変更して読みやすくするStylich用ユーザースクリプト。これがある方がかなり可読性が上がる。

■RTMをFirefoxサイドバーに表示

他のWebアプリを使っていてRTMでタスク編集をしたいことがある(GMailなどでは使えるけど…)。以前に見つけたRTMをFirefoxサイドバーに表示するTIPSを使うと、他のWebアプリとRTMを簡単に併用でき、かなり便利。僕はブラウザが起動している際には9割がたRTMのサイドバー表示をしている。


Google Calender利用中にサイドバーにRTMを表示

上記のような工夫をすると、かなりRTMが使いやすいものになり、GTDをする上でRTMは僕にとってかなり欠かせないツールとなったと思う。次回はこのRTMでどんな感じで僕が(なんちゃって)GTDを行っているかをまとめてみたい。

2009/02/21

ZumoDriveを使い始める

複数のマシンでデータをやりとりするネットによるストレージサービスとしてはDropboxが人気なようだけど、同ソフトに対抗するZumoDriveというサービスがある(現状ではMobileMeのiDiskは残念ながら遅いため検討の対象にならない)。
Dropboxは自分のローカルHDDに専用フォルダを作って、複数のマシン間で同期する…という仕組み。だから50GB同期するには自分のマシンのHDDでも50GBを同期用に確保しなくちゃいけない。対してZumoDriveはそうした同期用エリアを用意する必要が無いこと。ファイルを開く場合はストリーミングするので、遅さを感じない…というのがポイントのようだ。

この新サービスZumoDriveの招待がようやく昨晩届いたので、一通り試してみた。


ダウンロードしたインストーラーを使ってサインアップ。
(Invitation Codeはダウンロード用Webページに表示されるものを入れる)

招待状のアドレスからZumoDrive用ソフトインストーラのダウンロードページに行き、ダウンロード後はインストーラで自分のアカウントを作成、ログイン情報の他にZumoDrive容量を設定する。ZumoDriveは1GBまでは無料、それ以上は容量に応じて毎月課金される。まずは試しで無料の容量をチョイス。


MacにZumoDriveがマウントされた。

インストール作業が一通り終わると、MacにZumoDriveが通常の外部ドライブのような形でマウントされる。後は特に意識することなく、普通の外部ドライブのようにしてファイルを保存したり、開いたりすれば良い…という使い勝手になる。


アップロード中はアイコンに上向きの矢印が表示される。

早速、適当なファイルをZumoDriveにドラッグ&ドロップで保存してみる。アップロード中のファイルは、その状態を示すグラフィックがついたアイコンになる。ちなみに、アップロード中であってもそのアイコンをクリックするとちゃんと開く事ができる。マシン内にキャッシュが用意されていて、回避しているようだ。


バックグラウンドで行われているアップロード状況を表示

メニューバーのZumoDriveからStatusを選択して、バックグラウンドで行われているアップロード処理などの様子を表示することも可能。ウチはFTTH接続だけど、ZumoDriveサーバーへのアップロード時の転送速度は500〜700kbpsでそれほど高速とは言えないかな。ただ、これらの処理はバックグラウンドで行われるし、アップロード途中のファイルも開けるので、それほど苦痛に感じることはあまり無いと思う。

ファイルを今度は開いてみる。速度的に、大きめの画像などはローカルで開くときに比べるとレスポンスが落ちる…という印象。3〜4MBのファイルを開く場合でもちょっとだけ待たされる…という印象を持った。これに対して映像などの場合はかなり高速。100MB以上の動画を開いても、すぐに再生が始まるのでストレスはほぼ無かった。


ZumoDriveのWebサイトで保存したファイルをチェック。

ZumoDriveに保存したファイルはWebブラウザでも確認できる。画像などはサムネイル表示もされるし、スライドショーを作成するといったことも可能。また保存した画像やスライドショーをBlogなどに埋め込むことも可能になっている点は、ファイルのやり取りや公開に便利かもしれない。

このようにZumoDriveを一通り試してみた。まだDropboxとどっちが優位と簡単に結論できない。目新しい機能や、ローカルに同期領域を必要としない点、ファイルのストリーミングなど、面白い点が多いのだけど、ファイルを開く際の速度が(ローカルに保存する)Dropboxより遅い点は気になる時もある。正直現時点ではDropboxからの全面移行というわけにはいかなそうだけれど、しばらく試用を続けてみようとは感じている。

2009/02/20

時間貧乏

仕事が忙しい、忙しい…と言いながらも、結局のところ会社の業績は絶不調…いわゆる繁盛貧乏は世間によくある話。

時間管理研究所エントリ経営トップやマネージャーだけじゃない? 「時間貧乏」の2つの側面では、倒産する社長の共通点で挙げられていた共通点の中の「時間貧乏」について、もっと具体的な解説を2つの側面から掲載している。

まず1つめの側面として挙げられていたのは

目先のことに忙しくなりすぎて、
長期的な取り組みができていない

…つまり多忙を理由に、本質的な改革ができず、結果としてロスの大きい(効率の悪い)状況→さらに多忙になる…という時間貧乏スパイラルに陥るということだろうか。
そして2つめとして

長期的なこと、悩み深いことを「考えたくない」から、
目先のことで忙しくしてしまう

…現実逃避のために忙しくし、結果として「対処しなくちゃいけない要件」を先送りしてしまう…という、これも「よくある話」かも。いずれにしても、共通してくるのは長期的な取り組みができない…ということにある。

この話で思い出したのは「モチベーションは楽しさ創造から」のエントリ最近のリーダーに不足するチカラ ビジョン提示力の内容。リーダーはビジョン提示能力が低くなったのではないか?という話。

「この不況期をどう乗り切るか?」という話ばかり。「この不況期を乗り越えた後、どんな会社になっていくのか?」リストラをする企業でも「リストラ後にどんな会社になっていくのか?」という事が提示されていない企業が多いのではないでしょうか?

ビジョンが提示されないから、てんでバラバラに低い生産性で動く→忙しいから、明確なビジョンを提示する余裕は無い→とりあえず目先の利益…という形のスパイラルが簡単に想像できる。

実は僕の周りでも上記のような話を非常によく聞くようになった。景気が明らかに悪化したことから、(それほど悪く無かった)今まで先送りされていた明確なビジョンなどの長期的な過大が一気に顕在化している…そうした中で上記の“時間貧乏”の例も身近になってきてしまっているのかもしれない。

引用先などでは経営の問題として書かれていたけど、少数でもチームを率いて仕事をしている人(---つまり僕の立場)でも、十分考えていかなくちゃ行けない話なのかもなぁ。

2009/02/19

iconclock


背景色を4色から選択、また画像ファイルを背景に設定することも可能。
アラーム音は昔懐かしいビープ音各種。

僕のiPhone用定番時計アプリとなっているLCD Clock [iTunes Link]を開発したforYouから、今度はiconclock [iTunes Link]という時計アプリが提供されている。魅力はもう画面を見ればすぐ。古き良き時代のMacの時計カーソルそっくり。そしてアラーム音も…など、懐かしいアイテムをiPhone用クロック・アプリとして再構築してくれている。


横表示対応の他、時計の表示位置変更やリサイズ機能あり。


"TAKUMI ICON WATCH

このソフトの魅力は、もう画面…それにつきるだろう。実用性や機能を求めるなら、他のソフトの方が良いと思う。実際、僕も仕事場で表示するなら断然前のLCD Clockの方が視認性も良いし、ちょっとした卓上カレンダーがわりにもなって便利。
いっぽう気分転換や話のタネ用途で面白いかも…とiconclockを入手した。それと、同サイトにも書いてあるけど“One More Thing”も楽しい。

尚、仮にアイコン魂に火がついた場合にはアイコンが実物の腕時計になってしまった…というIcon Watchを考えてみるのも良いかも?

セカイカメラ - iPhoneによる拡張現実

TechCrunchなどで大きく話題になったことが始まりとなって、最近いろいろなところで噂を聞き、気にはなっていたセカイカメラ。ようやく動作するデモが公開され各所で話題になっている。

「セカイカメラ」は、位置座標情報をアドレス代わりに使い、「エアタグ」と呼ばれるデータをインターネット上にある専用のサーバーからダウンロードして閲覧するというサービス。同社ではエアタグのイメージとして「iPhoneをかざすと見える魔法の付箋」と紹介している。エアタグは店舗や企業が看板代わりに使えるだけでなく、一般ユーザーを含めて自由に投稿できるなど、オープンに運用される。

…とあるように、セカイカメラはある風景でiPhoneをかざすと、それに関する説明や別ユーザーが残した感想など様々な情報を引き出すことができる、現実とネットのマッシュアップと言えるような仕組み…かなりSF的なもので、ワクワクする。拡張現実の1つとして解説されることもある。一方、「本当にできるのか? どうやって作るのか?」という疑問も多く言われてきていた。

専門家パネリストは、Tonchidotが使っているテクノロジーについて今まで全く聞いたことがない点に懸念を示した。また戦略的にいえば、このサービスの究極の目標は全iPhoneユーザーのために全世界をタグづけすることにあるわけだが、どうやってこれを達成するのかも大きな課題だ。

いろいろ懸念もあったようだけど、今回RoomsというイベントでSoftbank協力のもと、ようやく動作するデモを見せる状況になったことで、この仕組みの実現性が証明されたし、ある意味これからトライしなくてはいけない点も見えたようだ。Nobilog2記事では下記のように説明されている。

セカイカメラの最初のバージョンは、 VAIO type Pなどでも採用されている、「PlaceEngine」の技術を使って半径5メートルほどの精度で位置を特定し、その位置に関係するエアタグを、(iPhoneに電子コンパス機能がないので)まずは方位無関係で表示し、向きは指でフリック操作をして手動で合わせる、というシンプルなしくみ。 (その代わり、向き合わせ用のランドマークをたくさん登録した、ランドマークレイヤーを用意しようとしているようだ)

というように、まだ本格的にやりたいことの3%しか実現していないそうなので、これからどうなるかは未知数なんだろう。ただ、無理と言われていたにも関わらず、少なくとも「コンセプトを証明する」レベルのデモが出来たことは素直に賞讃したい。Android上で動いている試作版は、電子コンパスを使って位置合わせもちゃんとできていることなどもNobilog2で書かれていて、「もしかして将来はSFのようにスカウターを付けて現実とネットのマッシュアップをするのが普通になる?」そんな妄想もしてしまう夢のあるシステム。もしうまくいくようなら大バケするかもしれない…そんな期待を持ってしまうモノだ。

2009/02/18

作業集中のためにノイズを聴く

勤務先や自宅などで何かに集中したいと思っても、周辺雑音が気を散らすことは多々ある。対応として耳栓を使う、ヘッドフォンで音楽を聴く…ということをよくする。だけど、音楽はそれはそれで注意力を散漫にする原因になりそうだし、何か方法を模索していた。

クラシックを聴く…なども試したけど結論から言うと、僕にはノイズというかアンビエント・サウンドが割合良い感じだった。これは元々Mac画面の他の視覚情報を遮断するソフトを探していた際に(参照:Isolator, Menu Eclipse - 様々なアプリで集中できるようにするTidBits日本語版の記事で紹介されていた方法。視覚のほか聴覚も使って集中できる環境を作るということに興味を抱き、いろいろと試してみた。

そうしたノイズやアンビエントサウンドを提供するサービスは検索してみるといくつかあり、いくつか試してみた。結果としてはTidBits記事で紹介されていた1ファイルあたり$10以上もするWhitenoise MP3s.comで提供されているものに落ち着いた。

記事中にもあるけどノイズや背景音MP3ファイルとしては高額とは思うのだけど、無償で提供されているものなどは短いノイズをループさせている場合が多く、途切れ目が聴こえてしまったりし、一度気になると落ち着かなくなってしまうことが多かった。結局一番最初の同サイトに戻ってきた。現在、同サイトで提供されているアンビエントサウンドのうちSleepy Jet InteriorとAutumn Windsの2つのファイルを購入…iPhoneに入れて集中が必要な際には作業中に聴いている(カナル型イヤホンを使い、外部サウンドはシャットアウト)。

他のノイズ/アンビエントサウンド提供サイト

エンボディチェアが気になる…

良い椅子が欲しい…と最近特に思うのは、やはり年のせいもあるんだろうか。強烈な腰痛などのトラブルは幸い経験していないが、微妙に腰が重い、肩が凝るなどの疲れやすさは次第に強まっている。

本日Gizmodoニュースで目にしたのは名作アーロンチェアでも有名なハーマン・ミラー社の新作“エンボディチェア”。プレスリリースによると、この椅子のデザインはアーロンチェアのデザイナーが深く関わったとか。

エンボディチェアは、身体の自由な動きをサポートし、脳の活性化を促す初めての高機能ワークチェアです。デザイナーは、高機能ワークチェアの象徴的存在となった「アーロンチェア」のデザイナー、故ビル・スタンフ(Bill Stumpf)と、事務所のパートナーであったジェフ・ウェバー(Jeff Weber)です。

Gizmodo記事などで座り心地などについてかなりベタ褒めなので、かなり気にはなる存在。ただし、この椅子は価格もかなりのもので、211,050円〜253,050円と、このご時勢にそう気楽に手を出せるような代物でも無いようで、自分が使うという意味であまりリアリティは無い。

それでも、この椅子は「パソコンなどテクノロジーに囲まれた現代の作業環境」を念頭にアーロンチェア関係者が出したデザインの回答ということのようで、興味は尽きない。いちどショールームまで足を運ぶことはしてみようと思っている。

2009/02/17

iPhone紛失 - のち発見。


watching LOST, season 5 by fabi_k

本日、同僚との飲み会後から帰る途中でiPhoneを紛失してしまったことに気づく。いきなりかなりの目眩…ホロ酔い加減はすっかり飛んでしまった。正直今までに2度携帯を紛失した経験があるのだけど、ハッキリ言ってiPhoneが無いというダメージは精神的にかなり効く。

探索は、飲んだ店や使った電車やタクシー会社への連絡などイロイロしてみたのだが、全く見つからない。これはやはりアウトか?観念しはじめつつも、最後のあがきとして最後に使ったときから自宅までの経路を洗おう…と家を出て歩き出す。すると、自宅から約100mのタクシーを降りたあたりの道に見慣れたケースに入ったiPhoneが! どうやら料金支払い時にポロっと落としたということなのだろうか。実際破損している様子はまったくなく、ちゃんと動作する。安堵感でヘナヘナ〜となりながら帰宅し、本エントリを書いている次第。

それにしてもiPhoneは紛失した場合には、見つけたり、イロイロ対処するのが厄介だ。ケータイWatch"iPhone 3Gがない!"でも以下のような記述がある。

仕事柄、ケータイを複数台持ち歩いているので、たまにどこかに置き忘れることがある。しかし、普通のケータイならば、GPS機能と連動し、パソコンからケータイの居場所を探すことができる。この機能に何度もお世話になったことか。さらに遠隔操作でFeliCaだけでなく、さまざまな機能を第三者が触っても使えなくする機能も備わっているから便利。

しかし、iPhone 3Gの場合、GPSは搭載されていても、紛失した場所を遠隔地から探し出すことはできない。しかも、遠隔ロックも非対応。探し出すことも、ロックかけることも不可能なのだ。

そう、iPhoneは一旦無くしてしまって探すとなると非常に厄介。見つける仕組みも無いということのようだ。僕のiPhoneもセキュリティ設定もしておらず、かつ中の情報を消去する術も無い…なかなか危ない。Softbank携帯にも探索サービスというのはあるが、iPhoneは非対応ということ。逆に日本の携帯はそうした何かあった際のきめの細かい点まで仕様化しているのか…。こういう時はさすがだな…と思ってしまう(ガラパゴス携帯にも良いところはいっぱいある)。

今回のトラブルはなんとかハッピーエンドだったが、これを何回も繰返したら、さすがにアホ。いろいろと次の対策を考える必要がありそうだ。以下に参考になりそうなリンクを掲載…やれる対策はしておかなくてはいけないなぁ。

2009/02/15

フリーランス向けなMacソフト

AppStormエントリ“12 Mac Apps for Running a Freelance Business”で、フリーランスのためのアプリを12点紹介している。“Invoicing, Accounting & Time Tracking”で経理関係のモノ、“Organization & Utilities”ではその他の便利なツールについて。正直前者はそれほど参考にならないかも…やはり米国とは経理のいろいろなやり方も違うし。一方後者は結構日本語のMac関連ブログでもよく名前をツールが多く、フリーランスに限らず、仕事の効率化に参考になるかもしれない。そちらの方を以下に。なお、各ソフト説明は原文じゃなく僕が書いたもの。

Things

Mac用GTDツールとして次第に市民権を得始めている。他にiPhone用も提供され、両者はWiFiで同期可能。Mac的な操作性でGTDを実践したい人によく勧められているのを見かける(僕自身は未使用)。同分野のソフトにOmniFocusがある。

Text Expander

これは馴染みの無いツール。例えば"tx"とタイプすれば自動的に"Thanks A Lot"に変換するといったことを実現してくれるもの。イロイロ設定すれば定型的な文章なら本当にわずかな手間で入力できるように。そうした英文メールを多く書く機会があるなら面白いかも。

Dropbox

いわずと知れたオンラインでのファイル共有、バックアップツールの有名どころ。最近は他にZumoDriveなどが登場しているほか、Googleも似た事を計画していると言われる。いずれにしても手軽なのは現時点でDropboxだろう。

QuickSilver / LaunchBar

キーボードでアプリを起動したり様々な操作ができるアプリ、QuickSilverやLaunchBar。特にQuickSilverは多くのところで紹介されている。これらを使う事で効率的に作業を行おう…ということ。

Evernote

単にノートを書くことから、写真(英文文字認識機能付き)、音声など様々な情報をクラウドに保存しておくというEvernote。デスクトップ版とiPhone版を使って自分の情報をすべてストアしておくと良いかも。評価が分かれているソフトだが、僕は個人的に愛用中。

1Password

パスワードの一元管理をしてくれる便利ソフト。SafariやFirefox内から使う事も可能。Mac版の他にiPhone版も用意されている。これが無いと生きていけないという人も周りにいる。

Growl

様々なアプリケーション通知…例えばメール新着など表示をしてくれる仕組み。利用しているソフトの通知はすべてコレで行えるように設定した。また、様々なスキンが提供されており、デザインのカスタマイズも楽しい。

2009/02/14

Bowtie - スタイリッシュなiTunesコントロールソフト

iTunesコントロールソフト分野には多くのソフトがある。そうした中でBowtieというソフトが最近話題にされるエントリを読む機会が多く、興味を持った。

このソフトの最大の魅力はスタイリッシュということ。正直パッと目にする機能で革新的なモノがある…と言う訳でもない。iTunesで再生されている曲のジャケット画像や、曲名/アルバム名/アーチスト名を表示すること。そして次の曲/前の曲へのスキップや一時停止/再生といった基本的なiTunesのコントロールを行うとう感じ。

そのかわり、Bowtieはデザイン面でデスクトップに彩りを与えてくれる。配布されているテーマを使ってみるだけでも当面満足できると思う。特に画面が広い場合は画面の隅に置いておくと楽しい。
以下に僕が気に入ったものの画面キャプチャーを挙げる。


アナログレコードな雰囲気で表示するVynilテーマ


Macでは定番?床の反射を表示してくれるWet Floorテーマ

またBowtie用テーマのもう1つの特徴はCSSやJavaScriptといったデザイナーに馴染みの深い技術を使って作成できるということ。おかげで多くのテーマファイルが配布されており、それらを手に入れるだけで様々なカスタマイズを楽しめるし、自分でトライしようとも思えるかもしれない。Bowtieにはテーマファイル作成方法解説ファイルがついてくる。
自作しなくてもテーマファイルはMacThemesで多く紹介されているし、soundscape outでもカスタムテーマを紹介するエントリがある。

上記のようなスタイリッシュな面に加え、BowtieはiTunesライブラリ検索機能が高速で評判が良いようだ。Sooeyの“Bowtie’s PowerSearch”というエントリで詳しい説明が掲載されている。実際、下図のようにテキスト入力してサクっと検索結果が表示され、使い勝手は良いようだ。その他はGrowlによる通知対応やLast.fm対応といったところかな。


検索の様子 - アーチスト名にjoaoを含み、曲名にsamが含まれるものを検索。

Bowtieインストール時に若干「?」と感じたのは、テーマファイルをインストールしていないとBowtie自身が起動しないこと。だからテーマファイルも一緒にダウンロードしておくこと。またテーマのインストールはテーマファイルをダブルクリック。Bowtieをはじめてダウンロードしたら、まずはBowtieじゃなくテーマファイルをダブルクリックする方が良い。この辺りの挙動は今後改善される可能性が高い。

いずれにしてもBowtieはiTunesで音楽を聴くなら、ちょっと楽しいアプリ。無償で配布されているので、面白そうと思ったら気楽に試してみてほしい。

2009/02/13

クラウドを見据えるIBM


big blue shadow by leff

昨年に「もうすぐクラウドが当たり前、SIerは“終了のお知らせ”?」というエントリを書いた。IBMが現在の業績にも関わらずクラウドコンピューティングが当たり前の時代を見据えて大量リストラを行ったというネタが元。

実際にIBMはクラウドコンピューティングをターゲットに、いろいろと駒を進めているようだ。TechCrunchエントリ「IBM、Amazonのサービスを用いてマイクロソフトのクラウド戦略対抗を狙う」では、AmazonとWebサービスで提携するという内容が掲載されている。

つまりIBMはAmazonをクラウドコンピューティングのサプライヤーとして利用し、既存利用者がクラウドコンピューティングにシフトしやすいように、価格設定もわかりやすいものとするということだ。

…ということで、今回の提案はドラスティックにクラウドに移行できない(IBMによるITシステムを導入してきた)大企業が、段階的にシフトできる手法を仕込むという事なんだろうね。

また、同じようにTechCrunchエントリ「IBMとJuniper Networksがクラウドコンピューティング市場のシェア拡大を目指す」でクラウドコンピューティング関連の新製品を出す…という話、そして記事中でもIBMのクラウド分野への傾倒ぶりが書かれている。

大企業の顧客はビジネスを効率化するための経済的に有利なソリューションを求めている。もちろん、セキュリティや強靱な堅牢性および柔軟性を犠牲にせずにだ。クラウドコンピューティングは、IBMの本来の強みを有効に活かすことができる。

大企業IBMの変わり身の早さには、良い意味でかなり呆れる。ハード部門を大胆に切り捨てて、サービス中心のビジネスに切り替えたのがつい最近。そして企業内IT投資というのがもう下り坂と見越して、すぐにクラウドにシフトする…だから自社もその方向性を積極的に選択し、業績が良くても先行して組み替えのためのリストラを敢行する…というヤリ方は、頭がキレるというか怖いというか。

2009/02/12

室内の空気を良くする観葉植物で、家や職場を過ごしやすく。

2つの有名サイトが観葉植物について取り上げていた。まず、Gigazineでは“部屋の空気をきれいにしてくれる観葉植物ベスト5”という記事が掲載され、NASAにより空気清浄効果が認められ、かつアメリカParents Centerによる「子どもに安全な植物リスト」にも載った超優秀な観葉植物としてオリズルランサンセベリアドラセナ・フラグランスポトスアグラオネマが挙げられている。

次にライフハッカーのエントリ“室内の空気をよくする、3つの観葉植物”では、ニューデリーのビジネスパークで観葉植物を活用しての空気清浄を実践したケーススタディを紹介。今回紹介されているアレカパームサンセベリアポトスの3つの植物は、二酸化炭素を酸素に変え、有機化合物をとり、周囲の空気を浄化させる効果があります。という。

この事例紹介のプレゼンによればでは他ビルに比べ目の痛みや頭痛などの減少といった、健康面での効果はもちろんの事、以下のように生産性等の面でもかなり改善したとのこと。もちろん1人あたり11点の植物…ということなので、かなり植物の数は多い。それでも以下の報告を見ると、試してみたくなるかも。

Our experience points to an amazing increase in human productivity from using these plant to be 20%, and energy costs reduce by an extraordinary 15%

…20%生産性が上がり、エネルギーコストが15%下がったという内容。これはかなり良好な結果! これが本当なら今日から観葉植物を置かなきゃ…という気にすらさせてくれる。

やっぱり人間も動物。植物の多くある環境で良い空気…という方が全然過ごしやすいし仕事も断然はかどるということかな。とりあえず自宅の観葉植物を増やしてみようと考え始めた。試して効果があるようなら、勤務先でも取り入れるように提案しよう。

2009/02/11

Roberta Sá - なんて奇妙で 素敵な一日

週中の祭日、特に何をやるわけでなく、ゆっくり自宅で音楽を聴きながらリラックスして過ごした。たまにはこういう「何もしない日」があってもいいよね。

今日の気分に特にあっていたのはRoberta Sá(ホベルタ・サー)というブラジル人女性歌手のアルバム「なんて奇妙で 素敵な一日」(原題:Que Belo Estranho Dia Pra Se Ter Alegria)…新譜ではなく発売2007年秋の発売と記憶している。参加ミュージシャンにマルコス・スザーノレニーニも。気持ちのいいMPB(ブラジリアン・ポピュラー・ミュージック)。アコースティックにちょっとだけ電子楽器をスパイスに使ったアレンジ…そして何より彼女の声が良い。高音の甘さはちょっとガル・コスタを想起させたりも。お洒落なカフェでかけるのにとても合いそう。掲載したYouTubeのビデオはアルバムの中の曲「Belo Estranho Dia De Amanhã」のプロモビデオ…奇妙で素敵なホベルタの1日。

2009/02/10

知の呪縛 - そんなコト知っているだろうという勘違い

モチベーションは楽しさ創造からのエントリ専門家・勉強好きの人が陥る病 知の呪縛 より。自分が知っているレベルで他も知っていると考え失敗しちゃう事がある話。

「知の呪縛」とは、専門家や勉強好きの人が陥りやすい病。自分が詳しいために「相手も同じくらいに知っている」と勘違いしてしい事を進めてしまうことです。

この「知の呪縛」によって発生しているトラブルは、実に多いモノです。知の呪縛に陥ると、

  • 1. 「自分の発したいメッセージ」が伝わらない
  • 2. マーケット(コミニケーションの相手)が欲するものと違ったモノを提供してしまう
という事が発生してしまいます。

正直、僕にとってもトラブルというか、フラストレーションの元になっている話だったりする。企画担当者として、市場に対してはやはり「知らないだろう」という前提でイロイロと説明をするようにはしている。ところが、やはり同僚などの身内が「あまりにも知らない」となると、何やってるんだ!…と、かなりストレスを感じるときもある。

話す内容のレベルを、TPOで調節する…そうした相手によって柔軟性を持たせるということは、社内だろうが社外だろうが必要な能力なのは間違いない。自分の「知の呪縛」の存在を常に意識することで、もう少し円滑なコミュニケーションを考えていくのは大事かも…と思った次第。

2009/02/09

タスク処理の順序付け、どうする?

GTDなどで日々のタスク管理をやっている場合、どの順番にタスクを片付けていったらいいんだろう?という疑問がどうしてもある。書籍「はじめてのGTD ストレスフリーの整理術」などでも、それほどハッキリとは提示されていない。

時間管理研究所のエントリ「時間管理のポイント: タスクを実行する順番を決める指針」では、やはりタスクの実行順序は基本的に自由ですなのだが、処理する人のキャラ、状況によりアサインするタスクを決めるヒントを掲載している。例えば…

スロースターターの自覚がある人は、「すぐ終わるタスク」で弾みをつける。

「完璧主義(1つの仕事に時間をかけすぎてしまう)」に近い人も「すぐ終わるタスク」を先にやってしまう。 (「難しいタスク」を先にやると、それだけで1日が終わってしまうかも しれないので・・・)

という具合。参考になる点も少なくないと思う。

ちなみに僕の例としては以下となる。あらかじめ週次レビューで次週のタスクは日付けまで指定し、本日のお題となっているその日での順序については、「その日によって切り替える」。これはちゃんと前もって決定していても、その日の体調や気分でこなしたい順番が変わってくるため。無理をするより、合わせた方が無理がない(どうせ最終的には全部やるんだから)。ここいらへんの決め方は、今日紹介したエントリの内容に結構近いものを感じた。


Remember The Milkでタスクの〆切を時間指定

なお、具体的なタスク順を決める作業は、大抵電車での通勤途中。iPhoneでRTMを使い、順番…というか大体何時くらいまでに終わらせるか、個々のタスクの〆切を時間も含めて設定してしまう。iPhone版RTMクライアントは〆切時間まで指定されていれば、その順序に並べてくれる。(時間の入っていない項目が上に、そして優先順位が設定されていれば、それが上にくる仕様。)僕は仕事に着くときには全てのタスク順序が決定されているという形。

以上、“なんちゃって”なのだけど、1つの考え方として、もし何かの参考になればいいな。

2009/02/08

Hazelを使ってファイルを掃除

以前にライフハッカーで紹介されていたMac用ソフトの中でHazelというモノに興味を持ったので試してみた。これは様々なルールを設定してファイルを自動的に整理してくれるというもの。システム環境設定用のソフトで、ダウンロード後にダブルクリックすると自動的にインストールされる。

このHazelは、例えば、「ダウンロード」フォルダの中にムービーファールを見つけたら、自動的に「ムービー」フォルダの中に移動させる…という具合のことを自動化してくれる。
もう少し詳しく言えば、最初にウォッチの対象となるフォルダを指定、そして、その中に含まれる項目の検索条件(種別や拡張子、作成日時など)と、検索条件に合致した項目に対するアクション(保存フォルダ移動、破棄、名称変更など)を設定し、ファイル管理の自動化を行ってくれるということ。

具体的に作業してみよう。面白いソフトを探していろいろとダウンロードしまくっていると、いつの間にか「ダウンロード」フォルダはディスクイメージ(.dmg)やzip圧縮ファイルで一杯になっている事が頻繁。なので、これらを自動的に整理させてみようと思った。

「ダウンロード」フォルダに新しくルース項目を作る…タイトルは.dmg Cleaning。そして、条件は拡張子がdmgで最後に開いたのが今週以前、それに対するアクションはゴミ箱に移動し、移動したことをGrowlで通知する…という感じ。そして同様にzipファイルでも同じことをするルール項目を作成した。


図:Hazelでダウンロードフォルダを選び、
そのフォルダに対するルールを設定する。

後はバックグラウンドで実際にいつの間にかHazelがやってくれるのだけど、設定したら早速自動化の様子を見てみたいのが人情。メニューバーにHazelアイコンを表示させ、Run Rulesでウォッチフォルダを選択すると、そのフォルダ用自動化がすぐに開始される。はじめて試してみたときは結構面白かった。


図:ルール作成パネル。上に検索条件、下は条件に合致した項目に対するアクションの設定をする。

上記に紹介したのはHazelの機能のほんの表層だけかもしれない。自動的にSpotlight Tagをアサインしたり、AppleScriptなどを動作させて画像を自動縮小させるなど、いろいろと応用方法はあるのかもしれない。僕自身はどこまでそうした高度な使い方を出来るかわからないにしても、紹介したフォルダ内項目の整理だけでも利用価値は結構あると感じ、まだ試用期間はあるのだけど、すぐレジストした次第。

2009/02/07

Isolator, Menu Eclipse - 様々なアプリで集中できるようにする

昨日は「WriteRoom - 書く事に集中するためのテキストエディタ」というエントリで気を散らす要素を除外することをコンセプトにしたWriteRoomというアプリを紹介した。でも、集中したいのは文章執筆だけじゃないなぁ、他でもそういう手は無いのか探してみると、この意図にぴったり合う記事があった。

TidBITS 日本語版 #963/02-Feb-09」の「デスクトップで気を散らすものを最小化」というもの。そこで紹介されていたIsolatorMenu Eclipseという2つのユーティリティーを試してみたところ、かなり良い感じだった。


IsolatorとMenu Eclipseを使った例(正面のアプリはOmniOutliner Pro)。
雑音に妨害されず作業に集中できそう。

挙げた2つのソフトを使って「集中できそうな画面」にしたのが上図。こういう感じならどんなアプリでもその作業以外のことに気が散るのを押さえることができそうと思う。すこし各ソフトについて説明する。

Isolator

Isolatorは最前面にあるアプリ以外の背景を真っ暗にすることなどができるソフト。完全に黒にするほか色も変更できるし、半透明やぼかし効果などをかけるように設定することもできる。個人的には完全な単色よりも微妙に半透明でぼけている背景が良いと感じたため、この設定を選ぶ事にした。(上図は縮小されているので、実際の画面はもっとボケていると感じる)


IsolatorのPreferencesパネル。
背景色や透明度、さらにはぼかしの強度などを好みに設定。

Isolatorでは他にも背景のアプリをすべて非表示にしたり、Dockも非表示にするなどイロイロと設定することも可能。またTidBits記事によれば、次の3.4ではぼかし以外のエフェクトも用意されることになるとか。こんな形でIsolatorはかなり良いと感じるのだけど、メニューバーだけはどうしても画面にハッキリ残ってしまう。この点を補ってくれるのが次に紹介するMenu Eclipse。

Menu Eclipse

このアプリはIsolatorでは対応していないメニューバーを目立たなくしてくれるツール。設定ウィンドウでどれくらい暗くするか、またメニュー部にマウスオーバーした時に明るさを通常に戻すかなどのセッティングができる。


Menu Eclipseの設定ウィンドウ。
メニューを暗くする度合いや、
マウスオーバー時に明るくするかなどを設定。

こうして2つのアプリをONにすると、冒頭に紹介したような画面はもとより、極端に設定すれば、メニューバーも完全に黒…ということまで出来る。もちろんIsolatorもMenu EclipseもOn/Off用ショートカットキーが用意されているし、メニューバーにアイコンを表示して、そちらから切り替えることも出来る。

正直このエントリを書くに当たっても今回の仕組みを使ってみたが、なかなか集中して若干早めに書き上がったように感じる(プラセボかもしれないが)。少し贅沢を言えば何か1つのアクションで両者のアプリが有効になり、かつメーラーなどからのGrowl通知なども全部カットする「集中モード」と、「通常モード」が切り替わるようになれば良いのだけど…そういうユーティリティーは無いものだろうか?。自動化ツール応用で一連のう動作をワンアクションで実行する…そういうものの自作にトライするのも、もしかすると面白いかもしれない。

2009/02/06

WriteRoom - 書く事に集中するためのテキストエディタ

AppStormのエントリWriteRoom: Distraction Free Writingより。それはもうシンプルな画面表示のテキストエディタWriteRoomが紹介されていたので、試してみた。このソフトは「テキストを書く事に集中するため」というコンセプトで作られたもの。起動すると背景とテキスト入力を示す点滅するカーソルだけ。そして自動的に前画面表示になるので、バックグラウンドにありがちなメーラーやWebブラウザ、Twitterクライアントなども目がいかない。ひたすら集中してテキストを書くことをサポートするということ。


初期設定を変えて、テキストを書こう…という気に(自分的に)させるような表示に。

初めて起動すると、黒い背景のフルスクリーン表示となり、グリーンのカーソルが点滅…テキストを書くと緑のモノスペース英文文字で入力…という感じでかなりハッカー的。一瞬「ゲッ」となったけどPreferencesで表示色などをイロイロ設定できるので、目に優しそうな感じに設定…書体もヒラギノ明朝18ポイントなどにすると、結構良い感じになった(上図参照)。


Preferencesでイロイロ変更できる。

フルスクリーンからはescキーで抜けることもできるし、画面上部にマウスポインタを持っていけばメニューバーなども表示してくれる。まだ試していないけど、プラグインで他のアプリのテキスト入力をWriteRoomで行う…といったワザもできるみたい。

僕は仕事で長文を書かなくては行けないというケースが時々ある。とはいえやっぱり仕事中はいろいろを気を散らす事が多くて集中できない。もちろん同僚とかが直接来たり電話で中断…などはいかんともしがたいけど、せめてメール着信は目に入らないようにしたいし、ブラウザが表示されていて誘惑するのも断ちたいところ。僕の意思が強かったなら関係ないのかもしれないけど、現実そうでない以上、こうしたツールを使うという事も考えていった方が良いんだろうね。

尚、iPhone版も一応用意されているのだけど、そちらは画面を見ただけでシンプルさがMac版ほど実現されていない感じがした。

2009/02/05

OldCamera(自分のデスク)

Macを使っている自分の机をiPhoneアプリOldCamera [iTunes]を使って撮影してみた。いままではToyCamera [iTunes]の方ばかり愛用し、モノクロ写真を撮影するOldCameraの登場頻度は少なかったけど、使ってみると独特の雰囲気を出してくれて気持ちがいい。「俺ったら森山大道?」とか言ってしまいそうな雰囲気も(嘘)。

いずれにしても、これから自分的にOldCameraの登場頻度が何となく上がりそうな感じではある。

GDTTimes日本語翻訳版オープン

IDEA*IDEA経由 GTDに関する英語情報Blog、GTD Timesを日本語に翻訳するGTDTIMES-TLS-JPが開始されたという話。早速RSSをGoogle Readerに登録した次第。

本家には様々なGTDを行う上での様々な情報が掲載されていて、参考になる…僕はまだまだ“なんちゃって”なのだけど。同サイトのエントリは割と長めなので、日本語翻訳されるとかなり読む負担が減るだけに期待大。

現在はまだ翻訳された記事数は少ないのだけど、翻訳チームも募集しているということで、内容が充実してくることを楽しみにしている。

2009/02/04

社会的規範/市場的規範

51-4KbAnQOL._SL160_.jpg本自身はまだ読んでいない(週末の読書候補?)。ブログ「モチベーションは楽しさ創造から」のエントリ「金の為に仕事をする」と思わせれば思わせるほど、高コスト体質になるで紹介されていた内容について思うところがあったので紹介。

前記ブログの紹介でなぜ楽しみでやっていたことが、報酬をもらうようになると楽しくなくなるのか?として、僕らが「社会的規範が優勢な世界」と「市場規範が優越な世界」という2つの世界を同時に生きているというのです。ということだという。

前者は家族、友人、恋人のような、単純な対価を求めない関係の世界。後者は「市場」というようにビジネスライクな世界という事。だから会社が小さいときはまるで家族のようなカタチとなり、彼らにとっては残業や日曜出勤は、「社会的規範が優越な世界」の行為だったのが、会社規模が大きくなるにつれ規範が「市場」にとってかわる…使う方も使われる方もコスト第一の若干殺伐とした関係になるって感じかな。

実際、面白いベンチャーなどの小規模企業が、成長して段々とつまらない、そこいらへんの普通の会社になってしまうというコトは「世間によくある話」だったりもする。逆に上記の話を読んで、“社会的規範が優勢”の世界をどう取り入れるか?など考えていると、「あぁ、小売りなどはもうやっているな」と考えたりする。

以前に読んだ高級車のトップセールスマンの話。セールスマン氏は顧客と営業の関係じゃなく、顧客間のビジネスを取り持つなどいろんな形で常に密接な関係を持って、その中で車を販売している…っていう内容。そうなると「市場」としてのどれが安いとか、コストパフォーマンスが良いというのと別次元で、仕事が動くというコト。

そこまでいかなくとも、僕自身ある行きつけの洋服屋からは手書きの挨拶が折に触れ届いたり、話もよくするし、好みやサイズも分かってくれている(好みそうなモノが入荷したときだけ手紙もくれる)。そうすると錯覚とは知りながら、やはり必要があれば、仲が良くなったその店を優先してしまう。実際そういう接客態度を教育している店は結構あるようだ。

コストパフォーマンス優先の安売りならマニュアル的合理性の対応→市場的規範、だけど、ある程度以上の品物を扱ったり、ニッチな商品なら顧客とのもっと親しみのある関係を作る→社会的規範ができるようにしていく…というのがうまいヤリ方ということかな。

ClearCam - 超解像技術を使ってiPhoneの貧弱なカメラ機能をパワーアップ

TUAWエントリClearCam improves iPhone pix with a catch でiPhoneカメラの画質をパワーアップするClearCamというアプリが紹介されていた(まだ審査中段階)。

カメラで6連射して複数の画像を再構築し、解像度も4メガピクセルにUp(通常iPhoneは2メガピクセル)、またノイズも大幅に削減する…という機能を実現しているということ(Enhance Mode使用時)。これは最近日本の家電や携帯などでも注目されている複数フレームを用いた超解像技術の応用だね。上記TUAW記事ClearCamのギャラリーでサンプル画像が掲載されている。

iPhoneのカメラがハード的に出来が良く無いならソフトウエア的にどうにかしてしまおう…というアプローチはなかなか面白いと思う。今までのデジカメや携帯などには無かった“プログラミングできる”カメラ機器としてのiPhoneの面白さがある。
ちなみに、カメラが良く無いなら、低画質さを楽しむLOMOのようなトイカメラとして使おうというToyCameraなどの逆転発想も大好き。こちらもサードパーティー製アプリを入れられるiPhoneプラットフォームならではのモノだと思う。

いずれにしてもClearCamは脱獄しない限り現時点では試せないけど、僕の「AppStoreに登場したら是非試してみたいアプリ」リストに入れた次第。楽しみ。

スチームパンクなiPhone設計図Tシャツ

Gizmodoにダ・ヴィンチ風のiPhone Tシャツとして紹介されていたモノ、あまりに気に入ってしまったので、iSteamPhoneに速攻で昼休みに注文した。シャツと海外送料合計で$27 --- 請求金額は2,471円也(こういう時には円高が嬉しい)。

図柄は単にiPhone設計図っぽいというだけでなく、よく見てみるとiPhoneの中身が電子部品じゃなく、機械式になっており、動力は蒸気(笑)…とスチームパンク仕様になっていて面白い。

ちなみに、いままでは現実仕様のiPhone分解図Tシャツを売っていたらしいけど、今回のiSteamPhoneの方が全然カッコ良い。尚イラストレーターのサイトもTwitterで紹介されていた。特にiPhoneとかMac絡みではない。アメリカの現代サブカルチャーな匂いが結構する作風だった。

2009/02/02

ビデオカメラ分野でもローエンド浸食。

キャズムを超えろ!に掲載のエントリ「家電業界内部から見たCES2009雑感 その2」にて「ソニーの"Flip潰し"はビデオカメラ市場にどんな影響を与えるのか」という内容があった。

今アメリカで売れているビデオカメラは、SONYやPanasonicじゃなくAiptekやFlipといったメーカーの品。それなりの画質で低倍率ズームしか搭載しないが、HD(720pや1080p)の動画が撮れて小型軽量、PCフォーマット(MOV等)だからYouTubeにもさっとUPできる、というシロモノ。
こういうパターンにはまると、大手家電メーカーは「ツブシ」と呼ばれる商品を突っ込んでくる。目標価格と目標スペックだけを置いて企画し、儲からなくてもいいからその市場を潰すための商品。

…日本にいると実感がわかないのだけど、国外では有名メーカーのビデオカメラだけでなく、Flip Mino HDのような安価でHD解像度(720p)を撮影できるカメラに人気が出始めているとか…実際“ネタフル”や“みたいもん”では海外からそうした機器を手に入れてのレビューが掲載されている。

ビデオカメラは、以前なら光学、メカ、電子の3つがキッチリ作れないと製品化できなかった…つまり垂直統合できるような大会社だけが生産できるモノだったのに、いまではすっかり内部がデジタルに移行したらコモディティ化。PC同様に水平分業でチップやレンズを買って、組み立てれば、はい製品化…メディアがメモリになって、動画処理チップも…という具合に汎用部品も多く手に入る。ネットブックと同じように、これもビデオ機器分野のローエンド破壊かな。

現在FlipなどはPCとの親和性がウリとなっていて、YouTubeなどへのアップロードやPCでの動画編集なども簡単。Flip MinoやSony WebbyはMP4コンテナのH.264 CODECだから、QuickTimeなどですんなり開く事のできる形式。(サンヨーXactiもMP4/H.264)。

これに対してビデオカメラ界では現在AVCHDが幅を効かしているほか、デジカメでのビデオ撮影でもAVCHD Liteという規格も登場…これらはPCやMacで扱うには若干面倒なフォーマット。見るのにビューアーを選ぶし、YouTubeへのUPも一旦変換をする必要があったりする。MacやPCで動画を活用するには若干敷居が高い(MacでのAVCHD対応方法はこちらを参照)。
新しく登場したデジカメ用AVCHD Liteは「AVCHD対応家電製品と親和性が高い」という触れ込みなのだけど、なんか家電世界への囲い込みっぽいなぁ…と思ってしまう(邪推?)。

もちろん現時点でも家電の世界で閉じていた方が全然使いやすい…という層はいる訳で、当然そうした人たちにとっては家電世界の方が良いのだろう。でも、これからドンドンとデジタルネイティブは増えてくるわけで、あんまり変な守りっぽくしていると、ある時スコーンとひっくりかされる可能性があるんじゃないかな?(iPodの例しかり)。メーカー様、「ジレンマ」はわかるけど、克服してくれないといつの間にか干上がっちゃうかもよ?

2009/02/01

iPhone用Flash Playerがそのうち登場?

TUAWEngadgetのエントリなどから、AdobeはiPhone用Flashを開発中という話が聞こえてきた(元ネタはBloomberg記事)。AppleのiPhone用Flash Playerに対する頑な姿勢から、かなり期待薄と思われていただけに若干意外。

(モバイル用のサブセットである) Flash Liteでは機能が不十分だが、フル版のFlashはiPhoneにとって重すぎるため、Flash LiteではなくPC向けのフル機能Flashでもない「第三のFlash」を求めたとされています…とのこと。

Flash能力以外のビジネス面での話としては、元々iPhoneでは“それ自体が何らかの実行環境になる”モノを認めてこなかった経緯がある。だからJAVAもダメなら、JavaScriptなどの実行環境となるFirefoxなどもアウト…という話だった。当然Adobe FlashはFlexなどを使って一種のアプリ開発/動作環境ともなりえる。AIRにすれば、ほぼ単独のアプリを作り、動作させることも可能。これはiTunes Store以外にiPhone用アプリを開発/配布する別経路が出来てしまう事をAppleが懸念しているのでは?と言われてきていた。

実際PCやMac用の他、最近ではAdobe MAX 2009ではDoCoMoがWindows Mobile端末でAIRアプリを動作させる…というでもをやっていたようで、Flashの携帯用アプリ市場への本格参入も考えうる話だった。そういった事をAppleは懸念してiPhoneから排除していると思っていたのだけど…。

iPhone用サードパーティー製アプリに関しては、当初はネイティブアプリ開発は(セキュリティ上)まかりならん、SafariでAJAXによりWebアプリとして提供しろ…という方針だったが、方向を転換しネイティブアプリ開発SDK公開+iTunes Storeによる販売という形に切り替えたことがある。世の中が変われば大幅な方針変更もあるのかもしれない。

尚、iPhoneユーザーとして見ると、新しい形のFlash Playerはとても楽しみな話ではあるけど、Web制作者的視点からすると「またテスト環境が1つ増えた…」ということ、そしてMac/Winでは利用可能だけどiPhoneでは使えない手法なども出てきて開発が面倒になるかもしれない…というような心配事もまた増えた次第。