2009/02/04

社会的規範/市場的規範

51-4KbAnQOL._SL160_.jpg本自身はまだ読んでいない(週末の読書候補?)。ブログ「モチベーションは楽しさ創造から」のエントリ「金の為に仕事をする」と思わせれば思わせるほど、高コスト体質になるで紹介されていた内容について思うところがあったので紹介。

前記ブログの紹介でなぜ楽しみでやっていたことが、報酬をもらうようになると楽しくなくなるのか?として、僕らが「社会的規範が優勢な世界」と「市場規範が優越な世界」という2つの世界を同時に生きているというのです。ということだという。

前者は家族、友人、恋人のような、単純な対価を求めない関係の世界。後者は「市場」というようにビジネスライクな世界という事。だから会社が小さいときはまるで家族のようなカタチとなり、彼らにとっては残業や日曜出勤は、「社会的規範が優越な世界」の行為だったのが、会社規模が大きくなるにつれ規範が「市場」にとってかわる…使う方も使われる方もコスト第一の若干殺伐とした関係になるって感じかな。

実際、面白いベンチャーなどの小規模企業が、成長して段々とつまらない、そこいらへんの普通の会社になってしまうというコトは「世間によくある話」だったりもする。逆に上記の話を読んで、“社会的規範が優勢”の世界をどう取り入れるか?など考えていると、「あぁ、小売りなどはもうやっているな」と考えたりする。

以前に読んだ高級車のトップセールスマンの話。セールスマン氏は顧客と営業の関係じゃなく、顧客間のビジネスを取り持つなどいろんな形で常に密接な関係を持って、その中で車を販売している…っていう内容。そうなると「市場」としてのどれが安いとか、コストパフォーマンスが良いというのと別次元で、仕事が動くというコト。

そこまでいかなくとも、僕自身ある行きつけの洋服屋からは手書きの挨拶が折に触れ届いたり、話もよくするし、好みやサイズも分かってくれている(好みそうなモノが入荷したときだけ手紙もくれる)。そうすると錯覚とは知りながら、やはり必要があれば、仲が良くなったその店を優先してしまう。実際そういう接客態度を教育している店は結構あるようだ。

コストパフォーマンス優先の安売りならマニュアル的合理性の対応→市場的規範、だけど、ある程度以上の品物を扱ったり、ニッチな商品なら顧客とのもっと親しみのある関係を作る→社会的規範ができるようにしていく…というのがうまいヤリ方ということかな。