TUAWやEngadgetのエントリなどから、AdobeはiPhone用Flashを開発中という話が聞こえてきた(元ネタはBloomberg記事)。AppleのiPhone用Flash Playerに対する頑な姿勢から、かなり期待薄と思われていただけに若干意外。
(モバイル用のサブセットである) Flash Liteでは機能が不十分だが、フル版のFlashはiPhoneにとって重すぎる
ため、Flash LiteではなくPC向けのフル機能Flashでもない「第三のFlash」を求めたとされています
…とのこと。
Flash能力以外のビジネス面での話としては、元々iPhoneでは“それ自体が何らかの実行環境になる”モノを認めてこなかった経緯がある。だからJAVAもダメなら、JavaScriptなどの実行環境となるFirefoxなどもアウト…という話だった。当然Adobe FlashはFlexなどを使って一種のアプリ開発/動作環境ともなりえる。AIRにすれば、ほぼ単独のアプリを作り、動作させることも可能。これはiTunes Store以外にiPhone用アプリを開発/配布する別経路が出来てしまう事をAppleが懸念しているのでは?と言われてきていた。
実際PCやMac用の他、最近ではAdobe MAX 2009ではDoCoMoがWindows Mobile端末でAIRアプリを動作させる…というでもをやっていたようで、Flashの携帯用アプリ市場への本格参入も考えうる話だった。そういった事をAppleは懸念してiPhoneから排除していると思っていたのだけど…。
iPhone用サードパーティー製アプリに関しては、当初はネイティブアプリ開発は(セキュリティ上)まかりならん、SafariでAJAXによりWebアプリとして提供しろ…という方針だったが、方向を転換しネイティブアプリ開発SDK公開+iTunes Storeによる販売という形に切り替えたことがある。世の中が変われば大幅な方針変更もあるのかもしれない。
尚、iPhoneユーザーとして見ると、新しい形のFlash Playerはとても楽しみな話ではあるけど、Web制作者的視点からすると「またテスト環境が1つ増えた…」ということ、そしてMac/Winでは利用可能だけどiPhoneでは使えない手法なども出てきて開発が面倒になるかもしれない…というような心配事もまた増えた次第。
|