2009/02/19

セカイカメラ - iPhoneによる拡張現実

TechCrunchなどで大きく話題になったことが始まりとなって、最近いろいろなところで噂を聞き、気にはなっていたセカイカメラ。ようやく動作するデモが公開され各所で話題になっている。

「セカイカメラ」は、位置座標情報をアドレス代わりに使い、「エアタグ」と呼ばれるデータをインターネット上にある専用のサーバーからダウンロードして閲覧するというサービス。同社ではエアタグのイメージとして「iPhoneをかざすと見える魔法の付箋」と紹介している。エアタグは店舗や企業が看板代わりに使えるだけでなく、一般ユーザーを含めて自由に投稿できるなど、オープンに運用される。

…とあるように、セカイカメラはある風景でiPhoneをかざすと、それに関する説明や別ユーザーが残した感想など様々な情報を引き出すことができる、現実とネットのマッシュアップと言えるような仕組み…かなりSF的なもので、ワクワクする。拡張現実の1つとして解説されることもある。一方、「本当にできるのか? どうやって作るのか?」という疑問も多く言われてきていた。

専門家パネリストは、Tonchidotが使っているテクノロジーについて今まで全く聞いたことがない点に懸念を示した。また戦略的にいえば、このサービスの究極の目標は全iPhoneユーザーのために全世界をタグづけすることにあるわけだが、どうやってこれを達成するのかも大きな課題だ。

いろいろ懸念もあったようだけど、今回RoomsというイベントでSoftbank協力のもと、ようやく動作するデモを見せる状況になったことで、この仕組みの実現性が証明されたし、ある意味これからトライしなくてはいけない点も見えたようだ。Nobilog2記事では下記のように説明されている。

セカイカメラの最初のバージョンは、 VAIO type Pなどでも採用されている、「PlaceEngine」の技術を使って半径5メートルほどの精度で位置を特定し、その位置に関係するエアタグを、(iPhoneに電子コンパス機能がないので)まずは方位無関係で表示し、向きは指でフリック操作をして手動で合わせる、というシンプルなしくみ。 (その代わり、向き合わせ用のランドマークをたくさん登録した、ランドマークレイヤーを用意しようとしているようだ)

というように、まだ本格的にやりたいことの3%しか実現していないそうなので、これからどうなるかは未知数なんだろう。ただ、無理と言われていたにも関わらず、少なくとも「コンセプトを証明する」レベルのデモが出来たことは素直に賞讃したい。Android上で動いている試作版は、電子コンパスを使って位置合わせもちゃんとできていることなどもNobilog2で書かれていて、「もしかして将来はSFのようにスカウターを付けて現実とネットのマッシュアップをするのが普通になる?」そんな妄想もしてしまう夢のあるシステム。もしうまくいくようなら大バケするかもしれない…そんな期待を持ってしまうモノだ。