2008/11/17

ネット時代の文房具

iPhoneをいじっていていつも思うのは、「やはりこれは文房具だ」という印象(電話は完全にオマケだ)。Macintoshを最初に草案したジェフ・ラスキンは文房具のような手軽なコンピューターを作れないか?と考えたようだけど(その後Steve Jobsがプロジェクトを横取り?してGUIベースのMacになったらしいけど)、ようやく僕の中で”新しいカタチの文房具”というものが実現されてきたのだなぁという思いがする。

文房具…というくくりで言えば、Palmのときにもそういう思いはあったのだけれど、どこか不完全だった(そしてPalm自身の存在の市場からフェードアウトしていった)。何がいけなかったのだろう?と考えると1にも2にもネット接続なんだろうなと考える。

データの同期…というものを意識してしなくちゃいけないということ、そしてどこかデータが縛られているという感じが、やはりモバイルの自由度をかなり低下させている。機器を忘れても、無線LANが使えない出先でも必ず自分のデータにアクセスできるネットさえどうにかなれば、クラウドから自分のデータを引っ張って来れる。そういう自然な同期というのがあって、はじめて物理的な文房具以上の便利さを与えてくれるのだと思う(参照:ユビキタス性の担保)。

逆にちょっと心配になってしまうのは、Apple自身は強烈にクラウド・コンピューティングに強い会社とは言えないこと。MobileMeもあんまり高得点は与えられなかった部分もあるしね。実際、僕がiPhoneを活用する上でGMailやGoogleカレンダーといったGoogle系サービスとの連携というのはすごく大事(同様に僕が好きなRemember The MilkというサービスもGoogle系サービスとうまく連携してくれているから愛用しているところがあると思う)。そういった意味では将来的にGoogle製Android携帯の方にシフトしてしまうということも、十分考えられる。なんせあちらは「クラウド」という点では今のところ怖いもの知らずだから。